心身に溜まった世の中の嫌な毒をデトックスしましょう。


by jinsei-detox

タクシードライバーに教えられたこと

横断歩道の手前でタクシーは止まっている。もうすぐ赤信号になりそうなのにお婆さんがゆっくりと歩いている。
車道の信号は青になったが、お婆さんがまだ渡りきってないので、クルマは進めない。後ろからの車がクラクションを鳴らす。お婆さんはようやく渡りきると、タクシーの運転手にお辞儀をしてた。運転手も丁寧に会釈を返していた。 
「最近、どういうわけかみんな思いやりがなくなったというか、ほんのわずかな時間でも我先に出ようとするんですよね。」発進しながら運転手が言った。「みんななにかにせっつかれているんでしょうねえ」
「譲り合うという日本人の美徳がなくなってきているものなあ」
「ほんとうにギスギスしてますね。最近なにか日本がおかしくなってきているって感じますねえ」
 確かにそう僕も思う。会社帰りの電車に乗るとみんないらいらしていることが感じられる。怖くなるときもある。
 実を言うとこのコラムは街で拾ったいい話を紹介して、生きているってこともなかなか捨てたもんじゃないっていう感じのものにしたいと思っていたが、なかなかそれがうまくいかない。
 近頃いい話っていうか、感動するような場面をみたり聞いたりすることがないからだと思っていたのだが、どうもそうではないらしいということに気がついた。
 つまり、こっちのこころのもんだいで、気持ちにゆとりがなかっただけなのだ。言ってみれば、こっちが豊かな心で日々を過ごしていなかったのではと反省したわけである。

 日々生きていることを感謝して、穏やかな気持ちで事象を眺めれば、きっと微笑ましい事柄が新たな視線のもとに浮かび上がってくるのかもしれない。

 このタクシーの運転手のような人がいること、そんな人々の小さな善意ある話にまずは耳を傾けようではないか。運転手は礼儀正しく僕にお礼を述べ走り去っていった。まだまだいい人が黙って正直に生きている。
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by jinsei-detox | 2006-11-27 15:31