心身に溜まった世の中の嫌な毒をデトックスしましょう。


by jinsei-detox

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ああ、ヴィヨンの妻よ


昨日,
仕事を早めに切り上げて、久々に映画に行きました。カムイ伝でも観ようかなと思っていたのが、どういう訳か「ヴィヨンの妻」になってしまった。どうしていまこんな映画をやるのか不思議だなと思いながら暗闇の椅子に身体を沈めた。
根岸吉太郎監督だという。なにか久しぶりな感もある。脚本はしっかりしたまとまりを見せ、映画も丁寧に作られていたが、見終わってもなんでこんな映画を作ったのだろうという疑問は解けなかった。いくら太宰の著作権がオープンになったとはいえ、今の若い連中に受けるテーマでもないだろうなと思ったのだが…
 最近読んだ村上春樹の描く愛の話(実は不在としての愛とでも云うしかない現代の愛)と太宰的な愛との隔たりはたかが60年くらいの時間的経過でこうも違うものかと感じたものです。
云ってみれば、太宰の愛のかたちは腹をかっさばいたような痛みがある(不倫するにも命がけのような)に対して現代の愛は不倫も純愛も紙一重のような成り立ち方しかしていないのが実態である。

それにしても映画の最後に「人非人だっていいじゃないですか。生きていくんなら」と松たか子演ずる太宰の妻が太宰につぶやくのだがモラルハザードたる現代にはなんともむなしい台詞であった。
「ヴィヨンの妻」という映画はいったいなんだったのでしょうか?
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by jinsei-detox | 2009-10-14 20:52