心身に溜まった世の中の嫌な毒をデトックスしましょう。


by jinsei-detox

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 ロシアに留学している息子が夏休みで帰国し、その間、4つのバレエスタジオの公演で踊るという。その1回目が金曜日に都立大学にあるパーシモンホールでの舞台だった。確かに毎日、厳しい稽古をしていたというだけあって、体つきがダンサーの体になっていた。動きもそれなりにしなやかになっていたが、まだまだ幼さが残っていて、観る者の気持を引きつける何かが足りない。これは案外重要なことなのかもしれない。救いはその演目をまだ躍り込んでいないから仕方ないと言えば仕方ないのだけど。
 同じ歳の石川遼君があまりにも大人であり、プロの風格さえ見えてきているから、ついこれからプロとしてやっていくものとして比較してしまうのだ。石川遼君と比較しちゃ可愛そうか。
 当人は今、下の弟とサッカーゲームをしてヒエッーとかワアッとか大声出して遊んでいる。たまさかの休日だから楽しませてあげようと思うけど、やはりまだまだ子どもなのだ。自分の18歳の頃を考えれば偉そうなことは言えないけどね。
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by jinsei-detox | 2010-07-18 21:59
 先日中学生の息子と藤沢周平原作「必死剣 鳥刺し」を観てきた。監督は平山秀幸、主演は豊川悦司。どういうわけか息子がいま藤沢周平に嵌っていて、観にいかないかと彼から誘いを受けたのだった。中学生が藤沢周平を読んでも理解できるのかなあと僕は思っていた。僕が彼の作品を読み出したのは40歳過ぎてからだったから。まあなんらかのメッセージを彼なりに受け取っているのだろう。
 映画は秀逸だった。ラスト15分の斬り合いの場は狭い部屋の中から雨の庭に移動するのだが、殺陣師の久世宏が刃物の斬り合いというリアルな戦いの様相をしっかりと見せてくれ、日本刀の切れ味をこわいほどわからせてくれた。それにしても豊川悦司があんなに素晴らしい役者だとは思ってもみなかった。黙っている姿がかつての武士の姿ではないかと彷彿とさせるくらい、はまっていた。そして彼のお世話をする亡くなった姉の妹に池脇千鶴。彼女の演技もよかった。
 あの目からいっぱい涙をながして泣くまいとする表情に僕は彼女のセンスのよさに感動した。なによりもこの映画の監督の平山秀幸がしっとしたいほどいいのだ。
 僕はつくづくと映画はいいなあ淀川長治さんじゃないけどつぶやきたくなったのだ。
 息子もいい映画だったねと声を洩らした。
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by jinsei-detox | 2010-07-17 20:17

つかさんは逝った

 劇作家演出家のつかこうへいがなくなったという報道を知った。彼の芝居を知ったのは僕がまだ20代で,僕も台本を書いていた頃だった。書いていたというより,試作していた頃だった。
 なかなかうまくいかずいつもどう書けばいいのかと悩んだいた。そんなとき当時白水社から発行されていた「新劇」という雑誌につかこうへいが学生劇団「暫」に書いた「郵便屋さんちょっっと」という台本が掲載されていた。読んでいる最中に脱帽してしまった。「くっそ!」という言葉しか出てこなかった!めらめらと嫉妬と羨望の念が渦巻いた。現代を描くに当たって、こういう視点があったのかと思い知らされた。とにかくうまいなあと舌をまいたのだった。僕の劇作は彼の出現によって、なんとももはや,つまらないものに思えてきてしまったのだった。もうこうなると意欲が湧いてこない。そんなこんなしているうちに彼は岸田戯曲賞をかっさらってしまい、芝居もあれよあれよと有名になってしまった。嗚呼、思い出したくない。あの頃のことは。
 僕は赤坂の小劇場に属して芝居をやっていたが、いつもいつも彼の作品が気になって仕方なかった。そのくせ俺はあいつの芝居なんて興味がないと嘯いていた。嗚呼、思い出したくない。
 で、僕はまだ宿題を済んでいないのに、あいつは逝ってしまった。だいたい同じ歳くらいのはずだ。片方は仕事を済ませて向こうへ行ったのに,僕はまだ宿題を済ませていない夏休みの終わりのような気持ちになっている。こまったなあ。
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by jinsei-detox | 2010-07-14 21:19